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TOP >  診療のご案内 >  近眼進行抑制 >  アトロピン低濃度点眼薬(マイオピン)

アトロピン低濃度点眼薬(マイオピン)


ページ内目次


1日1回の点眼で近視の進行を遅らせる点眼薬
低濃度アトロピンは、近視を治療できることが証明されたシンガポールの点眼薬です。
(日本での薬機法の承認はありません。)
タワーマンションが多く、近視も多いシンガポールでは、近視予防になる屋外活動の時間が十分に取れません。しかし、低濃度アトロピン点眼による近視進行予防の良好な結果の報告があります。この点眼薬は、超低濃度のアトロピンを点眼することにより、近視の進行スピードを効果的に抑える可能性と同時に、アトロピン1%点眼薬のような不快な副作用を回避します。

  • 近視の進行を完全に止めるのではありません。
  • 近視矯正効果のあるオルソケラトロジーとは違い、近視矯正効果はありません。
  • アトロピン低濃度の近視進行抑制は、国内において薬機法の承認は得ていません。日本での薬機法の承認申請自体がありません。

オルソケラトロジーとアトロピン0.01%点眼液の併用
オルソケラトロジー療法と0.01%アトロピン点眼液を併用する治療オプションが、-1.00 ~-3.00Dの軽度近視では近視抑制に最適な治療オプションである可能性があるという最近の発表があります。 
「-1.00 ~-3.00Dの軽度近視においては、オルソケラトロジー単独治療の眼軸伸長の抑制効果が比較的弱く併用治療はより効果的でしたが、3.01~−6.00Dの中等度近視においては、オルソケラトロジー単独治療の抑制効果が充分に強く併用治療と同等であることが確認されました。」

対象年齢

原則として6歳以上の学童(小学生)からになります。
12歳を超えての処方は可能ですが、臨床的なデータがあるのは開始時6~12歳を対象にしたものです。
12歳以上はご相談ください。

副作用

  • シンガポール国立眼科センター(SNEC)のマイオピン(アトロピン0.01%)点眼薬を2年間継続した研究結果の安全性については、以下の報告がありました。
 1. アレルギー性結膜炎及び皮膚炎の報告はない。
 2. 眼圧に影響を与えない。
 3. 白内障を形成するとの報告はない。
 4. 点眼終了後も目の遠近調節機能の低下、また瞳孔がひらき続けてしまうという報告はない。
 5. 電気生理学上、網膜機能に影響を与えるという報告はない。

  • 日本でも、6~12歳までの学童16名に0.01%のアトロピンを就寝前に2週間点眼させ全身・眼局所の副作用を調査した結果、重篤な全身・眼局所の副作用は認められなかったとする東京医科歯科大学、久喜総合病院の報告があります。
 低濃度アトロピン点眼の副作用について ≫

  • この薬の本来の作用により、一時的に瞳孔(黒目)が大きくなりまぶしく感じますが、数時間で元に戻ります。
※ただし、リスクが明らかになっていない可能性があります。10年間以上使用した場合の安全性の確実なエビデンスの発表はありません。香港のLAMPスタディでは、点眼中止後に近視が進行するリバウンドについての測定は行われていません。


その他

  • 標準的治療期間は特にありません。
  • 日中のまぶしさには影響がないので、サングラスもほとんど不要です。
  • 目の遠近調節機能(手元を見る作業)にも殆ど影響を与えないので、近見視力の低下にあまり影響を与えず、近視用の眼鏡も不要と言われています。
  • 就寝前に毎日必す1滴点眼するだけの簡単な治療法になります。
  • 各容器(1本・5ml)は、両眼で1ヶ月間の使い切りになっています。
  • 本製品はGMP(医薬品製造管理および品質管理基準)準拠の工場で製造されています。